2022年8月6日(土)立教大学池袋キャンパスにて同窓会『Alle(アレ)』発足イベント「卒業生×在校生コラボレーション企画」を開催。当イベントでは、卒業生のAlle創設メンバーと在校生で、就職活動やキャリア形成についてのインタビューとトークセッションが行われました。
本記事は当日の内容をまとめたものになります。久しぶりに異文化の空気を感じたい卒業生、就活や将来のキャリアについて悩みを抱える在校生に読んでいただけたら幸いです。
登壇者
卒業生
異文化コミュニケーション学部1期生。在学中はアメリカ留学や学部のコミュニティづくりに努める。新卒で人材会社に入社後、23歳の時に飲食業界へ転職。現在は豊島区で3店舗飲食店を経営。
異文化コミュニケーション学部7期生。在学中、留学先のドイツや国内、タイなどで舞台創作に携わる。新卒で不動産系ポータルサイト運営会社に入社。WEBディレクターとして3年半勤めた。都内の大学の建築学科に入学。現在は建築を学んでいる。
インタビュアー・学部生
- 新崎正和さん(異文化コミュニケーション学部3年生)
- 栗田沙麻亜さん(異文化コミュニケーション学部3年生)
- 鈴木優羽さん(異文化コミュニケーション学部3年生)
- 古源菜歩さん(異文化コミュニケーション学部1年生)
異文化の過去と未来を繋ぐAlle
新崎さん(以下、略):
――本日インタビュアーを務める異文化3年の新崎です。二宮さん、まず簡単に自己紹介をお願いします。
二宮:
1期生として異文化コミュニケーション学部に2008年に入学しました、二宮大です。在学中はアメリカのインディアナ大学に留学したり、異文化生が繋がるための組織を立ち上げてみたりと色々な活動をしていました(笑)。
卒業後は人材業界を経て、今は池袋で飲食店を3店舗経営しています。
――本セッションでは今日のメイントピックでもあるWebサイト「Alle(アレ)」についてお話を聞いていこうと思います。まず「Alle」をひと言で表すとしたら何ですか?
二宮:
Alleはひと言で言うと「オンライン版の更新できる卒業アルバム」です。
「Alle」というWebページ上に異文化の卒業生たちの情報が載っていて、その人たちが今している仕事やプライベートでの活動を見られるようになっています。さらに、掲載されているSNSを通して卒業生にコンタクトも取れます。
これからは活躍している卒業生同士の対談や学部長のお話をのせたりと、活動の幅を広げていく予定です。
卒業生にも在校生にも「さまざまな方向に向かって卒業生たちがこんな風に活躍しているよ」というのを伝えていけたらと思っています。でもまだAlleに登録していない卒業生や、存在をも知らない卒業生も多くいるので、これからもうひと踏ん張りしていかなきゃだな……。
――異文化の新しい形の卒業アルバム。思い出にとどまらず、更新可能でコンタクトも取れるのはとてもいいアイデアですね。次は「Alle」が発足した経緯について教えてください。
二宮:
数年前、学部長さんや先生たちとお話した際に、同窓会の話題が出ました。しかし、異文化の卒業生は世界中にいたり、色んな活動をしていたりする人が多くて、集まれる人が限られていました。
その時、オンラインでどこにいても繋がれる新しい同窓会を作ろうと思ったんです。
考えた結果、みんなが参加できて、誰でも見ることができるWebページという形をとりました。卒業アルバムの様にみんなが載れて、さらにそこからコンタクトもとれるようにすれば実際に繋がることもできるのかなと。
Alleに込めた思い
――「Alle」に対する二宮さんの思いをお聞かせください!
二宮:
「Alle」という名前には、気軽に「あれ見た?」と話したり「あれっ!」という発見をしたりしてもらいたいという思いがあります。
「Alle」には他にも進むや未来という意味もあります。
卒業生には異文化の同期や、先輩後輩の活動を見て楽しんでもらったり、仕事やプライベートにおいても何か気づきを届けたりしたいです。
在校生には、興味のある分野に進んだ先輩と積極的に繋がって話して、キャリア形成の手助けをしたいです。
「Alle」にはとてもカラフルな人生が載っています。人生や生き方の選択には正解はありません。これからのキャリアで自分の好きな色を選んで、何か形にしていくときに、同じ色を持った異文化生が助けてくれるような環境にしていきたいです。
今後メンバーが増えていき、支援しあえるような文化ができればいいなと思います。なのでしっかりと続けていきたいです。
――素敵です!最後にメッセージをお願いします。
二宮:
まずは「Alle見た?」というくせがつくくらい「Alle」を見てほしいです(笑)。まだ「Alle」は生まれたてなので、今後どうなっていくかはわかりません。
卒業生・在校生関わらず、みんなで一緒に「Alle」を大きなコミュニティにしていきたいと思っていますので、皆さんご協力お願いします。
――ありがとうございました!
つづいては、卒業生・Alle創設メンバーの二宮さん・中川さんのキャリアについてのトークセッションです。異文化コミュニケーション学部を卒業して、卒業生のふたりはどんな道を歩んでいったのでしょうか。在校生も交えて、お話を伺いました。
就活と、ありのままの自分
――まずは、おふたりの自己紹介をお願いします。
二宮:
異文化1期生の二宮大です。学生時代はアメリカに留学したり、学部のコミュニティづくりをしたりしていました。
卒業後は人材会社で転職エージェントや企業の採用のコンサルティングの仕事をしていました。その後飲食業にシフトし、現在は豊島区で3店舗の飲食店を経営しています。同時にベンチャー企業で採用人事の仕事もしています。
プライベートでは今5歳と1歳の娘がいて、毎日戯れて生活しています(笑)。
中川:
7期生の中川と申します。大学時代はドイツの大学で演劇を学んだり、舞台監督をしたりと、演劇やミュージカルに携わっていました。
卒業後は不動産系のポータルサイトを運営している会社に総合職として入社。仕事をしていく中でリノベーションや建築全般に興味を持ち、去年の4月から建築学科で学び始めました。今日も大学からきて、大学に帰るという生活です!
――ありがとうございます。今回はおふたりの就職活動とキャリアチェンジに焦点を当てて伺えればと思います。まずは大さんの就活についてお聞かせください。
二宮:
就活時は無理によくみせるのではなく、“すっぴん”で勝負するという心持ちでした。かしこまった言葉遣いが苦手だったので、飾らず自分自身の表現で臨むようにしていましたね。
それに加えて、最初の就職は第二の就活期だと思っていました。
私は短い就活の期間で自分の人生を決めるのを難しく感じて。そのため、色々な働きかたや企業を知れる人材の会社に入社して、未来について考えながら働いていました。
ここで働くことが、僕にとっての第二の就活でしたね。
中川:
私も就活のときに、話を盛ったり毎回きめ台詞じみたことを言ったりしてしまっている自分へ疑問を抱くようになっていって、考え込んでいた時期がありました。
そこからは、あくまで嘘はつかずに、相手に伝わるように分かりやすく話すことを意識していました。
――なるほど。では、キャリアチェンジはいかがでしょうか?
二宮:
僕は1社目が人材会社、そこから2社目がまさかの飲食で、しかも個人事業主の元に個人事業主として入ることを23歳の時に選択したんです。
困ったときに頼られる存在になりたいと思い、飲み屋はそういう相談のコミュニケーションの場になると考えて飲食業界に来ました。
中川:
私はコロナ禍でひとりで考える時間が増えたことや、自分の祖父が建築をやっていたことに後押しされ、やれる可能性があるならやってみようと決断し、大学の受験に至りました。
よくTOEICの点数や資格など、準備段階で制限を感じてしまう人が多いと思うんですけど、意外とやってみるとできることもあるので、挑戦することには価値があると思います。
自分らしさとキャリアチェンジ
栗田さん(以下、敬称略):
――今就活をしている身としてお聞きしたいんですけれど、面接のようなフォーマルな場において、どうやって自分らしさを出していけばいいでしょうか?また自分を表現するという点で何か意識していることとかはありますか?
中川:
ありきたりかもしれませんが、相手の立場に立つこと、相手がどこに興味を示すかを返答や表情などから読み取ることは意識しています。
二宮:
それにプラスで、自分の中にある要素を整理してみるといいのではと思います。
せっかくたくさんの要素があっても一つしか話す準備をしていないと、それが刺さらなかった時に焦ってしまいます。だから、一回自分のことをよく知って整理してあげるといいかもしれません。
――なるほど!ありがとうございます。
鈴木さん(以下、敬称略):
――お二人にとってキャリアチェンジが大事なキーワードになっていると思います。
一方で結婚や出産など、プライベートのことを考えると、思い切ったキャリアチェンジも難しいように感じてしまいます。大きな決断をされてまでも、突き通したいお2人の軸や信念をお聞きしたいです。
二宮:
僕は「かっこいい“じじい”になりたい」という、目指している姿が第一にあります。これまでの色々な経験や人生のすべてが、目指している姿に向かっていく過程という認識です。
中川:
私は異文化コミュニケーション学部での4年間を通して、物事を表面だけでとらえるのではなくて背景を深ぼる力がついたと思っていいます。そのため、文系だから建築なんて無理だという表面的な考えでなく、異文化コミュニケーション学部で得たことを誇りとして、いま建築の勉強しています。
また、悩んだ際に本からヒントを得ることも多いです。例えば最近読んだ『自分をいかして生きる』(著:西村佳哲)があります。
「好きなことを仕事に」という表現がよく使われるけれど、本当にそうなのか。それよりも、いても立ってもいられない「自分がお客さんでいられないこと」に自分の仕事のきっかけがあるのではないか、といった話が本の中で書かれていて妙に納得してしまいました。
鈴木:
本の紹介までしていただいてありがとうございます!
古源さん(以下、敬称略):
――お二人は留学を経験されているとのことでしたが、その経験は就活時にどのように発揮されましたか?
中川:
私は“留学”としてひとまとめにせずに、そこで何を得たか、考え方にどんな影響があったかを、自分の伝えたいことに付け加える形で話していました。
だからまずは自分の伝えたいことは何か考えることが大事だと思います。
二宮:
人事の立場からいうと、留学だけで周りとの差別化を図ろうとするのは難しいことです。
留学自体に頼らず、その経験を通して得たものや考え方の変化を通して自分を磨いていくっていうことが就活においては大事だと思います。
古源:
――ありがとうございます。お二人がキャリアを切り拓く上で大切にしていることについてもお聞きしたいです。
二宮:
自分が何を人生で大事にしたいか、だと思います。
どんなものでもいいし途中で変わってもいいので、何かひとつゴールがあるといいと思います。それが僕にとっては「かっこいいじじいになる」ってことなんです。
中川:
私の場合、舞台演出と建築の両方を追い求めるにあたって、現実的に難しくても自分で道を見つけるしかないと考えています。
答えを出すのが難しいと感じたら、一旦その問いは置いて目の前のことをやるようにしています。
――お二人とも貴重なお話ありがとうございました!
当日のお話は以上となります。読んでいただいた方の就職活動やキャリア形成に、少しでもお役に立てれば幸いです。